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富士通の事業構造・Uvance・ジョブ型採用を公開情報で読み解く|富士通 企業研究 就活

富士通の企業研究を、HP・IR・統合報告書などの公開情報で深めるための実践ガイド。ハードからサービスへ転換した事業構造、成長の軸「Fujitsu Uvance」、ジョブ型採用で問われる志望動機の作り方までを就活生向けに整理します。

InternEXPO 編集部公開 10 分で読了

富士通を「パソコンやサーバーを作っている会社」と思っている就活生は、企業研究のスタート地点を間違えています。

富士通は近年、ハードウェアを売る会社から、顧客の DX(デジタルトランスフォーメーション)を支えるサービス・ソリューション企業へと大きく舵を切りました。就活で評価されるのは、この転換の意味を理解し、「今の富士通が何で稼ぎ、どこへ向かおうとしているか」を語れることです。なぜここが重要かというと、面接官は「表面的な知名度で受けに来た学生」と「事業の中身を理解した学生」を、最初の数問で見分けているからです。事業構造を取り違えたまま志望動機を語ると、その一言で準備不足が伝わってしまいます。

この記事では、公開されている HP・IR 情報・統合報告書だけを使って、富士通の事業構造・成長戦略・採用の仕組みを整理し、志望動機に落とし込むまでの手順を解説します。特別な内部情報は一切不要で、誰でもアクセスできる情報だけで、他の就活生と差がつく理解に到達できます。

まず押さえる:富士通は「サービスの会社」#

富士通の連結売上高は約 3.7 兆円規模。国内の IT サービス(SIer)としては最大級のプレイヤーです。ここで最初に外すべき思い込みが「メーカー=モノ売り」というイメージです。

富士通の売上の中心は、**顧客企業のシステムを設計・構築・運用する「テクノロジーソリューション(サービス)」**です。かつての主力だった PC・携帯電話・半導体などは分社化・事業再編が進み、現在は法人向けの IT サービスに経営資源を集中しています。なぜこの転換を進めているかというと、ハードウェアは価格競争が激しく利益を出しにくい一方、システムの構築・運用は顧客と長期的な関係を築け、継続的な収益(ストック型)になりやすいからです。この「稼ぎ方の違い」を理解しておくと、後述する成長戦略の意味がつかめます。

事業の柱内容ビジネスの性格
サービスソリューションDX コンサル・SI・クラウド・運用保守成長領域・利益の柱
ハードウェアソリューションサーバー・ストレージ等縮小・選択と集中の対象
デバイスソリューション電子部品等一部事業

**「メーカー志望だから富士通」ではなく「IT サービス・DX を通じて社会課題を解決したいから富士通」**という理解が、企業研究の起点になります。この一文を自分の言葉で言い換えられるかどうかが、最初のチェックポイントです。

成長の軸「Fujitsu Uvance」を理解する#

近年の富士通を語るうえで最重要キーワードが **Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)**です。これは、業界の垣根を越えて(クロスインダストリーで)社会課題起点のソリューションを提供する、富士通の成長事業ブランドです。

従来の SIer は「顧客ごとに個別のシステムを作る」受託型が中心でした。Uvance はそこから一歩進み、サステナビリティや社会課題を軸に、複数の業界・顧客に横展開できるソリューションを提供するという考え方です。富士通は、この Uvance を売上・利益の成長ドライバーとして位置づけています。なぜ「横展開」が重要かというと、個別受託は案件ごとに一から作るためスケールしにくいのに対し、共通の型を持てば同じ強みを複数の顧客に効率よく届けられ、利益率も伸ばしやすいからです。Uvance は、富士通が「受託の会社」から「自社の型を持つ会社」へ変わろうとしている象徴だと捉えると理解しやすくなります。

面接で「富士通の強みは?」と聞かれたとき、「大企業だから安定」ではなく、**「国内最大級の顧客基盤と、Uvance を軸にした社会課題起点のソリューション展開」**と答えられると、企業研究の深さが伝わります。

業界内でのポジションと競合との違い#

富士通を正しく理解するには、単独で見るのではなく「同じ IT サービス業界の他社と何が違うのか」を並べて考えると解像度が上がります。国内の大手 IT サービス企業には、NTT データ、日立製作所(IT 部門)、NEC、そしてアクセンチュアのようなコンサル起点の企業などがあり、それぞれ得意領域や成り立ちが異なります。

富士通の特徴は、長年の法人・官公庁向けシステムで培った国内最大級の顧客基盤を持ちつつ、自社ブランドの成長事業(Uvance)で「社会課題起点・クロスインダストリー」という切り口を前面に出している点です。純粋なコンサル企業のように戦略提案だけを担うのでもなく、単なる受託開発だけでもなく、上流の課題設定から実装・運用までを一気通貫で担える総合力が立ち位置の核になります。

比較軸富士通主な違いの見方
成り立ち国産メーカー由来の総合 IT サービスハードからサービスへ転換した歴史がある
顧客基盤国内の大企業・官公庁に厚い長期の信頼関係・大規模案件が強み
打ち出しUvance で社会課題起点・横展開個別受託中心の SIer との差別化点
領域の広さ上流〜実装〜運用まで一気通貫コンサル特化・開発特化との対比

面接で「なぜ他社ではなく富士通か」を問われたときは、この表のどれか1軸でよいので、自分が惹かれた違いを具体的に一点挙げるのが有効です。競合を貶すのではなく、「この違いに自分の関心が重なる」という語り方をすると、比較の上での志望だと伝わります。

経営の軸 — パーパスと SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)#

富士通は「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」という**パーパス(存在意義)**を経営の中心に置いています。単なるスローガンではなく、事業ポートフォリオの見直しや Uvance の設計まで、このパーパスに紐づけて説明されているのが特徴です。

もう一つの軸が SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)。「顧客の DX を支援する会社が、自らも変革の当事者である」という考え方で、事業と社会課題を接続しています。志望動機でパーパスに触れるなら、言葉をなぞるのではなく、**「そのパーパスが Uvance のどの取り組みに具体化されているか」**まで語ると説得力が増します。逆に言えば、パーパスの文言をそのまま暗唱するだけでは「HP を読んだだけ」に聞こえてしまうので、必ず具体的な事業や取り組みとセットで語ることを意識しましょう。

採用で必ず理解すべき「ジョブ型」#

富士通の企業研究で就活生が見落としがちなのが、ジョブ型人事制度です。富士通は職務内容(ジョブ)を明確にした人事制度を導入しており、採用でも「何をする職種か」を軸に選考が進む方向にあります。

これが意味するのは、「富士通に入りたい」だけでは足りず、「富士通で、どの職種として、何をしたいか」まで具体化する必要があるということです。コンサルタント、SE、営業、研究開発など、職種ごとに求められる素養は異なります。採用サイトの職種紹介を読み込み、自分の志望を1つに絞り込むことが、他の就活生との差になります。従来の「まず総合職として採用し、配属は入社後に決める」メンバーシップ型とは発想が異なる点を押さえておくと、なぜ職種を絞る必要があるのかが腑に落ちます。

職種とキャリアパスの理解#

ジョブ型を前提にすると、「どの入口から入り、その先どう広がるか」を自分の中で描けているかが問われます。主要な職種のイメージと、その後のキャリアの広がりを整理しておきましょう(呼称や区分は採用年度で変わるため、最新は採用サイトで確認してください)。

職種イメージ主な役割キャリアの広がり方の一例
ビジネスプロデューサー/営業顧客の課題を掴み、案件を組み立てる業界担当の深化、大型案件の統括、事業企画へ
コンサルタントDX の上流で戦略・構想を描く特定業界の専門家、Uvance など事業領域のリード
SE/エンジニアシステムの設計・構築・運用を担う技術のスペシャリスト、アーキテクト、PM へ
研究開発先端技術の研究と事業への橋渡し専門研究の深化、技術を事業化する役割へ

大切なのは、入口の職種が「一生同じ仕事」を意味しないことです。エンジニアからマネジメントや上流のコンサルへ、営業から事業企画へ、というように、社会人としての軸を持ちながら役割を広げていくのが一般的です。面接では「入口の職種で何をしたいか」を具体的に語りつつ、「その先どう成長したいか」まで触れられると、長く働くイメージが伝わります。まずは志望職種を一つに絞り、そのうえで数年後の姿を仮でよいので言語化しておきましょう。

最近の動向の読み解き方#

企業研究では「変わりにくい事実」に加えて、「今この会社に何が起きているか」を自分で読み解く力も評価されます。ただし就活生が押さえるべきは、最新の細かい数値を暗記することではなく、どの論点を、どの資料で追えばよいかという着眼点です。富士通なら、次のような論点を意識して IR や決算資料を読むとよいでしょう。

  • Uvance の成長ペース:成長ドライバーと位置づける Uvance が、実際にどのくらいのスピードで伸びているか。売上構成に占める比率がどう推移しているか、という論点があります。決算説明会資料で確認しましょう。
  • 事業ポートフォリオの選択と集中:ハードウェアや周辺事業の再編がどこまで進んだか。「何をやめ、何に集中したか」の流れは、経営の方向性を映します。
  • 海外・グローバル展開:国内に強い富士通が、海外事業やグローバル人材をどう位置づけているか、という論点があります。統合報告書のグローバル戦略のパートが手がかりになります。
  • 生成 AI など技術変化への対応:AI をはじめとする技術変化を、Uvance や顧客提供価値にどう取り込もうとしているか。IR やニュースリリースで方向性を確認しましょう。

こうした論点は、断定的な最新数値を覚えるのではなく、「〜という論点があり、IR で最新の状況を確認した」という形で語るのが安全かつ誠実です。面接で「最近気になった富士通の動きは?」と聞かれた際も、この着眼点を一つ持っていれば、自分の言葉で答えられます。

公開情報だけで企業研究を深める4ステップ#

① 統合報告書 → パーパスと成長戦略の全体像#

CEO メッセージと成長戦略のパートを読み、「富士通が何を存在意義とし、どこに賭けているか」を押さえます。Uvance の位置づけがここで明確になります。まずは全体像から入ることで、後の細かい資料が「何の話か」を見失わずに読めます。

② 決算説明会資料 → 事業別の進捗を見る#

サービスソリューションと Uvance の成長状況、ハードウェア事業の縮小・再編の進み具合を数字で確認します。数字そのものより、前年からの変化と経営陣のコメントに注目します。変化の方向を掴めば、面接で「今の富士通」を語る材料になります。

③ 有価証券報告書 → リスクと事業構造の裏を取る#

「事業等のリスク」欄で、富士通が自ら認識する課題(人材確保、システム障害リスク、競争環境など)を把握します。ここが逆質問や志望動機の質を上げます。会社が自ら挙げる課題は、批判ではなく「自分がどう貢献できるか」を語る絶好の切り口になります。

④ 採用サイト → 職種とジョブ型を具体化する#

ジョブ型を前提に、志望する職種のミッションとキャリアパスを読み込みます。**「どの職種で、どんな価値を出したいか」**を1つに絞るところまで到達させます。ここまで来れば、志望動機の骨格はほぼ完成しています。

富士通/ IT

は過去にインターンEXPO へ出展した実績があり、社員から職種のリアルを直接聞ける回もあります。公開情報で仮説を立ててから、イベントや説明会で確かめる順番が最も効率的です。

志望動機の作り方 — 「IT が好き」から一段深める#

富士通の志望動機でありがちな失敗は、「IT に興味がある」「大企業で安定している」で終わることです。公開情報を使って、次の3層で組み立てます。

  1. なぜ SIer / IT サービスか:モノづくりではなく、顧客の課題をシステムで解決する仕事に惹かれる理由
  2. なぜ富士通か:Uvance やパーパスなど、他の SIer との違いに踏み込む(国内最大級の顧客基盤、社会課題起点のアプローチ)
  3. どの職種で、何をしたいか:ジョブ型を踏まえ、志望職種と自分の強みを接続する

「IT が好き」ではなく「なぜこの会社の、この職種で、この社会課題に関わりたいか」を語れると、志望度の高さがそのまま伝わります。

志望動機の例文(構成の参考に)#

私は、特定の製品を売るのではなく、顧客が抱える課題そのものをシステムで解決する仕事に携わりたいと考えています。中でも富士通は、国内最大級の顧客基盤を持ちながら、Fujitsu Uvance を通じて社会課題起点で複数の業界に横展開するという、他の SIer とは異なるアプローチを掲げている点に強く惹かれました。私はゼミで地域の中小企業のデータ整理を支援した経験から、現場の困りごとを整理して仕組みに落とす面白さを知りました。この経験を活かし、まずはビジネスプロデューサーとして顧客の課題を掴む役割を担い、将来は業界の専門性を深めて上流の構想づくりまで関わりたいと考えています。だからこそ、変革の当事者であろうとする富士通で働きたいと考えました。

この例文は「なぜ IT サービスか → なぜ富士通か → 自分の経験 → どの職種で何をしたいか」の順で並んでいます。丸暗記するのではなく、この骨組みに自分の経験と志望職種を差し替えるのが正しい使い方です。

面接で問われやすい深掘り質問への準備#

  • 他にも SIer は多い中で、なぜ富士通ですか?

    「大手だから」で答えると差がつきません。国内最大級の顧客基盤と、Fujitsu Uvance に代表される社会課題起点・クロスインダストリーのアプローチという、富士通固有の戦略で答えます。競合となる他の IT サービス企業との違い(規模・領域・アプローチ)を1点でも具体的に語れると説得力が増します。

  • 富士通は今、何で稼いでいると思いますか?

    PC やサーバーではなく、顧客企業向けの IT サービス(設計・構築・運用)が収益の中心であることを押さえます。加えて、Uvance を成長ドライバーとして、モノ売りからソリューション提供へ転換している流れを説明できると、事業構造を正しく理解していると評価されます。

  • どの職種を志望していますか?その理由は?

    ジョブ型を前提に、SE・コンサル・営業・研究開発などから志望職種を1つに特定して答えます。採用サイトの職種紹介で読んだミッションと、自分の強み・経験を接続します。『どの職種でも頑張ります』は準備不足と見なされるので避けます。

  • 富士通の課題は何だと思いますか?

    有価証券報告書の『事業等のリスク』や、決算説明会でのハードウェア事業縮小・人材確保に関するコメントが材料になります。ソリューション企業への転換途上であること、IT 人材の獲得競争などを、批判ではなく『だからこそ自分が貢献したい』という前向きな文脈で語ると好印象です。

  • Fujitsu Uvance を自分の言葉で説明してください。

    『業界の垣根を越えて、社会課題を起点にしたソリューションを複数の顧客へ横展開する成長事業ブランド』と、自分の言葉で言い換えます。従来の個別受託型との違い(同じ強みをスケールさせやすい点)に触れ、なぜ富士通がここを成長の軸に据えているのかまで説明できると、理解の深さが伝わります。

  • 入社後、どのように成長・キャリアを描いていきたいですか?

    ジョブ型で志望する入口の職種を明確にしたうえで、『まずはこの職種で価値を出し、数年後にはこの領域の専門性を深めたい/上流や事業企画に広げたい』と、入口とその先をセットで語ります。長く働くイメージと、変化に合わせて役割を広げる意欲が伝わると、定着・成長の両面で好印象になります。

企業研究チェックリスト#

  • 富士通の収益の中心が「IT サービス」だと説明できるか
  • Fujitsu Uvance が何かを自分の言葉で語れるか
  • パーパス・SX を「具体的な取り組み」に接続して語れるか
  • ジョブ型採用の意味を理解し、志望職種を1つに絞れているか
  • 他の SIer との違いを1点以上挙げられるか
  • 志望職種の「入口」と「その先のキャリア」をセットで語れるか
  • 最近の動向の論点を1つ持ち、IR で確認したか
  • 有価証券報告書の「事業等のリスク」を1つ以上把握したか

富士通の企業研究は、「メーカー=モノ売り」というイメージを外すところから始まります。IT サービス企業としての稼ぎ方、Uvance という成長の軸、ジョブ型という採用の仕組み——この3点を公開情報で押さえれば、志望動機も面接での深掘りも十分に戦えます。あとは、公開情報で立てた仮説をイベントや説明会で確かめ、自分の言葉に変えていくだけです。

※本記事は各種公開情報(HP・IR 資料・統合報告書・有価証券報告書など)をもとにインターンEXPO 編集部が整理したものです。最新の数値・事業体制は各社の公式開示でご確認ください。

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会場
大阪市内(詳細は後日発表)