OB/OG 訪問で「何を聞けばいいか分からない」という悩みを持つ学生は多いです。しかし 「何を聞くか」より先に「何を知りたいか」が決まっていれば、質問は自然に出てきます。
インターンEXPO 編集部では、OB/OG 訪問後に「この質問が一番役に立った」と回答した学生の質問を集計し、30 問のリストにまとめました。
「役に立った」と評価される質問に共通しているのは、「調べれば分かる事実を確認する質問」ではなく「生きた体験から引き出す質問」であることです。採用ページや IR を読めば分かることを聞くのは、準備不足のサインです。OB/OG しか知らない「現場の実感」を引き出すことが、訪問の価値を最大化します。
質問前に確認すること: OB/OG 訪問の目的#
質問リストを使う前に「今回の訪問の目的」を 1 つ決めます。
- 目的 A: 仕事の実態を知る (入社後の具体的なイメージを持つ)
- 目的 B: 企業の文化・雰囲気を知る (自分との相性を確認する)
- 目的 C: 志望動機の強化 (一次情報として面接に活かす)
- 目的 D: 業界全体を理解する (志望業界を絞り込む)
目的によって優先すべき質問が変わります。以下のリストから、目的に合わせて選んでください。1 回の訪問で全部の目的を達成しようとすると、どれも浅くなります。
【共通】全業界で使える質問 (15 問)#
仕事の実態を探る質問 (目的 A)#
Q1. 入社してから「思っていたのと違う」と感じたことは何ですか? 採用ページには書いていないギャップが出てきます。「思っていたより良かった点」「思っていたより大変だった点」の両方を聞くと、バランスの取れた情報が得られます。
Q2. 1 週間のスケジュールを教えてもらえますか? 自席での作業と外出・会議の割合はどのくらいですか? 「現場感」を一番リアルに把握できる質問。仕事のリズムが分かります。「今週のスケジュールはどんな感じでしたか?」と聞くと、より具体的な答えが返ってきます。
Q3. 今の仕事で一番しんどい瞬間はどんな時ですか? 「やりがいは?」より本音が出ます。「しんどい」の内容が、その仕事の本質的な難しさを示しています。「しんどいけど続けている理由」まで聞けると、仕事のモチベーション構造が見えます。
Q4. 入社 1〜3 年目に任された仕事の中で、一番の成長につながったのはどんな仕事でしたか? 若手の育ち方が分かります。「どのタイミングで」「なぜその経験で成長できたか」まで掘り下げると、成長環境の質が見えます。
Q5. 上司とのコミュニケーションはどんな頻度・スタイルですか? 1on1 はありますか? マネジメントスタイルと組織文化が見えます。1on1 の有無と頻度は、成長支援への投資度合いを示します。
会社・文化を探る質問 (目的 B)#
Q6. この会社で「評価される人」に共通する特徴は何だと思いますか? 評価軸・カルチャーの核心を直接聞けます。「能力 vs 態度」「成果 vs プロセス」のどちらが重視されるかが分かります。
Q7. 社内で「活躍している人」と「そうでない人」の一番の違いはどこだと思いますか? 成功の構造が見えます。「活躍している人」に自分が近いかどうかを照らし合わせることができます。
Q8. 入社を決めた理由と、今振り返ったその判断は正しかったと思いますか? 社員の率直な評価が聞けます。「正しかった」「違った」どちらの答えも価値のある情報です。「後悔している点があるとしたら何ですか?」と続けると、より本音に近い話が出てきます。
Q9. 率直に、この会社の「直したいところ」を教えてください 「良いところだけ聞く学生」は多いので、ここで差がつきます。直したいところを正直に答えてくれる OB/OG は、信頼できる情報源です。
Q10. 社員同士の横のつながりはどんな感じですか? 部署を超えた交流はありますか? 縦割り度合いが分かります。若手のうちに他部署との関係構築がどのくらい期待できるかが見えます。
志望動機強化のための質問 (目的 C)#
Q11. 御社が競合に比べて強いと感じる点を、現場の感覚から教えてもらえますか? 会社の差別化を「社員の言葉」で語れるようになります。採用ページには書かれていない「現場が感じる強み」が得られます。
Q12. 私が就活中に持っている「この会社はこういう会社ではないか」という仮説をぶつけていいですか? 仮説を検証することで、志望動機の精度が上がります。間違いを指摘されても OK。「実際は違う」という情報の方が価値があります。
Q13. ◯◯さん (OB/OG の名前) が仕事で感じる「手応え」を具体的な場面で教えてください 就活の「やりがいは?」とは別の、リアルな達成感が聞けます。「手応えを感じた瞬間」を具体的なエピソードで語ってもらえると、仕事のリアリティが伝わります。
キャリアを理解するための質問 (目的 D)#
Q14. この会社でのキャリアの分岐点はどこにありますか? 自分でコントロールできる部分はどのくらいですか? キャリアの自律性が分かります。「希望を出せる制度」と「実際に希望が通った経験」の両方を聞くと、制度と実態のギャップが見えます。
Q15. もし今の会社を辞めるとしたら、次は何をしたいと思いますか? 会社を離れた視点で語ってもらうことで、本音が出やすくなります。「転職市場での自社の評価」を社員がどう感じているかも分かります。
【業界別】追加質問 (各 3 問)#
金融業界 (銀行・証券・保険)#
Q16. 新規顧客の開拓と既存顧客のフォロー、どちらの比重が高いですか? 時期によって変わりますか? 営業スタイルの実態が分かります。新規開拓が得意か、関係構築が得意かによって向いている仕事が違います。
Q17. デジタル化・フィンテックの台頭で、日常業務はここ 3 年でどう変わりましたか? 業界変化の「現場の実感」が得られます。「変わった」「あまり変わっていない」どちらの答えも価値があります。
Q18. 若手のうちに経験できる「最も大きな案件」のスケール感を教えてください。また、その案件でどんな役割を担いますか? 若手が実際にどこまで関われるかが分かります。「大きな案件に関われる」という言葉の実態を確認できます。
総合商社#
Q19. 「商社は何でも扱える」とよく言われますが、若手のうちは何に専門性を持てますか? その専門性は転職市場でも通用しますか? 商社での専門性形成のリアルが分かります。ジェネラリスト志向の商社と、スペシャリスト志向の商社の違いも見えます。
Q20. 海外赴任の頻度・期間の実態を教えてください。希望は通りますか? 海外志向の学生に必須の質問。「海外に行けますか?」ではなく「どのくらいの頻度・期間か」を聞く方が具体的な情報が得られます。
Q21. トレーディング (仲介) と事業投資 / 事業経営、どちらの仕事が増えていると感じますか? 商社のビジネスモデル変化の現場感が得られます。この変化を理解した上で「自分はどちらに関わりたいか」を語れると、志望動機に深みが出ます。
コンサルティング#
Q22. プロジェクトのアサインは自分で選べますか? 嫌なプロジェクトに入ることはありますか? コンサルの実態。「希望は出せるが通るとは限らない」という答えが一般的ですが、ファームによって違います。
Q23. クライアントから感謝される瞬間と、逆にしんどいと感じる瞬間をそれぞれ教えてください コンサルの仕事の「光と影」を両方聞くことで、リアルなイメージが持てます。
Q24. コンサル出身者が事業会社に転じる際に「強み」と「弱み」として挙げられるものは何だと思いますか? コンサル後のキャリアと、コンサルで養われるスキルの実態が分かります。「コンサルをキャリアの踏み台として考えている」と伝えた上で聞くと、本音が出やすくなります。
IT 企業 (SaaS・Web)#
Q25. エンジニアと非エンジニア (営業・マーケ・PM) の関係性はどんな感じですか? 意思決定の場に非エンジニアが参加できますか? 文系学生にとって特に重要な質問。「非エンジニアでも活躍できる」という言葉の実態を確認できます。
Q26. 自社プロダクトを「好きだから」入社した社員と「仕事として割り切っている」社員、どちらが多いですか? カルチャーの実態が分かります。「プロダクトへの愛着を求めるか」「プロフェッショナルとして仕事をする文化か」という違いが見えます。
Q27. プロダクトの方向性に対して現場の意見はどの程度反映されますか? 提案した施策が採用された経験はありますか? ボトムアップ文化の有無が分かります。現場の意見が通る組織かどうかは、仕事のやりがいに直結します。
メーカー#
Q28. 研究開発 / 生産技術 / 営業技術、それぞれのキャリアパスはどう違いますか? 部署間の異動はありますか? メーカーの職種構造と異動文化が分かります。「理系 = 研究職」という思い込みを外すきっかけにもなります。
Q29. 製品の市場投入まで何年かかりますか? その間のモチベーション維持はどうしていますか? メーカーの長期サイクルへの適応力を確認できます。「成果が見えるまで時間がかかること」への自分の耐性を照らし合わせる機会になります。
Q30. グローバル展開している会社ですが、海外との仕事の関わり方はどんな場面で起きますか? 英語は実際にどのくらい使いますか? グローバル志向の学生に必須の質問。「英語が必要」という言葉の実態を確認できます。
聞いてはいけない質問#
「有給は取りやすいですか?」「残業はどのくらいですか?」は聞いていい?
聞くこと自体は問題ありません。ただし、最初の質問として聞くと「条件から入っている学生」という印象を与えます。仕事の実態を聞いた後の文脈で「ちなみに有給の取得率は実際どのくらいですか?」と自然に聞くのが賢明です。また、これらは OpenWork などの口コミサイトでも確認できるため、OB/OG の時間を使う価値の高い質問を優先することをすすめます。
「内定をもらえますか?」と聞いていい?
絶対に避けてください。OB/OG 訪問は選考の場ではありません。内定に関する質問は、関係を壊します。また、OB/OG が「内定保証」をする権限を持っていることはほぼありません。「この会社に向いていそうですか?」という質問も同様です。
「御社の強みは何ですか?」と聞いていい?
採用ページや IR を読めば分かる質問は「調べていない学生」のサインです。「HP や IR を読んで◯◯が強みだと感じたのですが、現場ではどう感じますか?」と「調べた上で確認する」形に変換します。この変換 1 つで、訪問の印象が変わります。
OB/OG 訪問は「教えてもらう場」ではなく「仮説を検証する場」です。質問の量より質問の深さが、訪問後に持ち帰れる情報量を決めます。 3 時間かけて 30 問聞くより、45 分で「絶対に聞く 3 問」を深掘りする方が、選考に活きる情報が得られます。